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地球の資源を使いすぎず、循環させる「社会的農業LABO」

もし家畜の糞から、環境にやさしく、悪臭もない有機堆肥を作ることができるとしたら?
その堆肥が、有機農業の成果を改善することができる画期的な肥料になるとしたら?
今回は、高山市丹生川町で「社会的農業」の実現を目指す、
「社会的農業LABO」のリバイブソイル(有機堆肥)のご紹介です。

地域全体が循環する、社会的農業を目指して

『臭わない』畜産堆肥

これまで評判の農家さんとの話の中で度々登場してきた、社会的農業LABOのリバイブソイル(牛糞堆肥)。中には「この堆肥が命綱!」と言われる農家さんもいるほどでした。そんなおいしい野菜をうみだす堆肥は、乗鞍岳のふもと、東西に長く広がる高山市丹生川町でつくられています。
今回ご紹介するのは、堆肥づくりの名人『社会的農業LABO』の所長・藤原孝史さん。
藤原さんが有機堆肥をつくり始めたのは、中学2年生の頃に浮かんできた鮮明なヴィジョンを実現するために動き出したのが始まりでした。

自然の中で牛や豚、馬や鶏などの家畜がのびのびと飼育され、
そこで出る堆肥を使用して農作物を育てる。循環する総合農業

そのためには健康な畑の土と、安全で美味しい作物を育てられる堆肥を生み出す仕組みを作ることが不可欠。藤原さんは平成元年頃より、微生物を使って牛の排せつ物の匂いを抑えつつ、堆肥の品質を上げる取り組みを開始しました。それから現在まで、30年以上にわたり研究・実践をくり返されています
社会的農業」というあまり聞きなれない言葉は、藤原さんが自らの取り組みを体現する造語のことです。

山本牧場の牛

この日訪れたのは、市内で酪農を営む「山本牧場」。
牧場に近づいて一番に驚くのはそのにおい。牛舎といえば、風向きによっては数キロ先まで牛の糞尿の臭いがすることもありますが、それが全くと言っていいほどにおいません。酪農舎には付きものであるハエも、ほとんど見かけませんでした。
繋がれることなく、フリーバーン方式で過ごす牛たちの足元には、牛のベッドとなる堆肥が敷かれており、牧場の経営を始めてから18年、ベッド側の堆肥出しは一切していないのだとか。それにも関わらず、牧場内に悪臭は感じられず、発酵飼料の香りのみが漂っています。

山本牧場では、社会的農業LABOの「NS乳酸菌」を飼育している牛の飼料に配合して与えられおり、導入後は、「乳房炎」の発症が獣医さんが驚くほど減り、乳量・乳質の向上に繋がりました。牛に負担をかけずに生産性を上げることができるのは大きな魅力と言えます。山本牧場で絞られた牛乳は地元の乳業メーカーに出荷され、多くの方に愛飲されています。

自然の力がチャージされる野菜、その源の土

そもそも牛の排せつ物が臭うのは、未消化の栄養素が一緒に排出され、その際に発せられる硫化水素やアンモニアが原因。
NS乳酸菌は生きたまま体内で増えるため、悪臭物質になる前に腸内で分解してアミノ酸に作り替えることができ、悪臭の元がない状態で糞尿として排出されます。それを堆積発酵させることで≪臭くない≫畜産堆肥がうまれるのです。

藤原さんの堆肥は、有機野菜を栽培する農家さんにとっては強い味方。
東京の5つ星ホテルの契約農園となっている「上宝O2ファーム」では、農業を始めた10年前よりリバイブソイルのみを使用されています。
その畑から生み出される野菜は、品痛みしずらく日持ちもし、野菜本来の香りや味が濃く際立っているため、シェフから口コミで広がり東京への出荷が徐々に増えているのだとか。

次世代にこの環境を残すという責任

社会的農業LABOの堆肥場

最近ニュースなどで見聞きする機会の多い『SDGs』という言葉。2015年の国連サミットにおいて全会一致で採択され、2030年までに達成すべき持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことを指しています。
このSDGsの根底には、サステナブルの「持続可能な」という概念があり、有限資源を使ったり、環境を破壊したりすることなく、社会にとってプラスになるものを継続していくことがネックになってくるのです。
30年前からこの考えに基づいて「社会的農業」の実現を目指して取り組みを続けてきた藤原さん。NS乳酸菌を摂取した家畜の畜産堆肥から「臭くない」有機堆肥をうみだし、それを地域に循環させる取り組み。化学肥料に頼らないため、地球の環境を壊さず資源も使いすぎず、美しい地球で生活をし続けていける社会に繋がるのです。

今後の目標を聞くと、『ええコミ』(ええ野菜コミュニティ)のことを教えてくれました。
「ええ野菜」とは、飛騨弁で「良い野菜」のこと。自家栽培など、小規模で野菜を育てている作り手と、買いたい人を繋ぐコミュニティを作り、野菜を売買できる環境を作っていきたいと話してくれました。
野菜を通じて人と人が繋がり、いずれは日常の困りごとなど、お互いに助け合える関係性を整えていけたらと話してくれました。

お問合せ先

■ 社会的農業LABO
〒506-0818 岐阜県高山江名子町 1760
 公式サイト:https://socialagri.jp/

リバイブソイル(牛糞堆肥)は少量(1袋/20ℓ)より購入可能です。詳しくは公式サイトにてご確認ください。購入希望の方はお問合せフォームに必要事項を入力して送信してください。

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