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乗鞍岳の野鳥のご紹介

国の天然記念物、ライチョウ

 乗鞍岳は、日本でも北アルプスなどの高山帯のハイマツ林にしか生息しないライチョウを始め、高山帯・亜高山帯に住む、普段の生活では見られない貴重な野鳥を見ることが出来ます。
 乗鞍岳では雄大な山や湖、可憐な花に目が行きがちですが、そこに住む鳥たちも個性豊かで魅力たっぷりなのです。今回は、乗鞍岳で見られる野鳥の代表的なものをご紹介します。

ライチョウは岐阜県の県鳥として愛されています。

 ライチョウは、県の鳥「県鳥」として、岐阜県で広く親しまれてきました。乗鞍から遠く離れた美濃地方の岐阜県民の方にも、名前だけはよく知られているのではないでしょうか。
 ライチョウ(雷鳥)の名前の由来は、雷が鳴るような悪天候の日によく姿を現すことから名づけられたといわれています。
 そんなライチョウですが、日本では合わせて2,000羽、乗鞍岳に至ってはわずか100~150羽しか生息していないのではないかと言われており、環境省の絶滅危惧種に指定されています。

ライチョウの特徴

  • 成熟個体で全長37cm。
  • メスは6月にハイマツなどの根元など地上に窪みを作って巣とし、6卵ほど産卵します。
  • 高山植物の芽、種子などを主食としますが、春から夏には昆虫類なども食べます。
  • 主に本州中部の標高2,200~2,400m以上の高山帯(ハイマツ林帯や岩石帯)で繁殖し、冬期には亜高山帯にも降りて生活します。
  • 季節に合わせて3回、羽の色が変わります。春にはオスは黒褐色に、メスは茶褐色になり、子育てが終わる季節には両性とも暗褐色になり、冬には雪と同じ白色に変化します。

季節に合わせて羽の色が変わるのは、外敵から身を守るための保護色になるためといわれています。羽の色が変化するのはここ乗鞍岳を含めた日本アルプスに生息するライチョウのみといわれています。

オス

メス

乗鞍岳で見られる野鳥

出典:日本の野鳥識別図鑑

【ホシガラス】全長35cm。亜高山帯・針葉樹林で繁殖します。

黒い羽根に白い斑点が浮かぶさまが星空のように見えることから星烏「ホシガラス」と名付けられました。
しわがれた声で、「ガァー ガァー」と鳴きます。雑食性でハイマツの実、昆虫、鳥の卵や雛、など何でも食べてしまいます。ハイマツの実を地中に貯蔵しておく習性があり、それがハイマツの繁殖の手助けになっているといわれています。昔から登山者にはよく知られており、「岳鴉(だけがらす)」の名で呼ばれていました。

乗鞍岳では畳平周辺、ハイマツ林などで見られます。

出典:日本の野鳥識別図鑑

【カヤクグリ】全長14cm。高山帯の針葉樹林やその上部のハイマツ帯で繁殖しています。

冬には標高の低い山地に、時には丘陵地や平地の林に来ることがあります。草の種子や虫を主食にしています。
「チュリ チュリ チュリ チュリリリ ヒリヒリ」と、か細く鳴きます。冬には単独で見られることが多いのですが、繁殖後の秋には小群で見られることもあります。

乗鞍岳では畳平周辺、ハイマツ林などで見られます。

出典:日本の野鳥識別図鑑

【イワヒバリ】全長18cm。高山帯のハイマツ帯より上部で繁殖し、岩の隙間などに巣を造ります。

頭から胸など顔は灰黒色、腰、腹などは褐色。翼は黒褐色で、拡げると褐色、白色部があり、独特の模様に見えます。上嘴は黒、下嘴は黄色。脚は黄褐色です。
「チュクチュクチーチー クリヒークリヒー チョリチョリチョロリ」など声量のあるさえずりと、「リュリュ、チュイチュイ」などと聞こえる地鳴きをします。
比較的人懐っこく、鳴き声が美しいので登山者の間で人気者です。

乗鞍岳では岩場やお花畑で見られます。

出典:日本の野鳥識別図鑑

【イワツバメ】全長14.5cm。山地や海岸の崖地、洞窟の入り口あたりに巣を作ります。

小柄で、頭から背、翼の上面、尾の上面などは黒色。喉から胸、腹など下面は汚れた白色をしています。主食は空中を飛行する虫などです。地上に降りるときは巣材を集めるときのみです。「チリリッ」あるいは「ジュピッ」などと聞こえる声で、飛びながら早口で鳴きます。

乗鞍では畳平周辺で見られます。

出典:日本の野鳥識別図鑑

【ルリビタキ】全長14.5cm。高地の林に繁殖し、冬は主として関東地方よりも南の地方の山地か、低い山地の林に移ります。

オスは青いからだ、メスは尾だけわずかに青色です。繁殖期には木の中や時に枝先で高く澄んだ丸みのある声で、「キョロ キョロ キョロリ」とさえずります。暗い林を好み、一羽で生活します。

乗鞍では畳平周辺で見られます。

出典:日本の野鳥識別図鑑

【キセキレイ】全長20cm。標高2,000m以上の高山の水辺、特に渓流に沿って生活するものが多く、小さな流れでもよく見ます。

セキレイの仲間の鳥で、胸から腹にかけて黄色いところからキセキレイと呼ばれるようになりました。いつも尾を上下に動かす習性があるので、石たたき・庭たたきなどの異名を持っています。「チチッ チチッ」と鳴きながら大きな波形をえがいて飛びます。

乗鞍では畳平周辺で見られます。

乗鞍岳自然観察教室参加者募集

 乗鞍岳では、乗鞍岳自然観察教室を開催しています。
内容としては、自然観察員と共に乗鞍岳周辺を、乗鞍岳のなりたち、貴重な動植物や自然愛護について説明を受けながら散策をするものです。
素晴らしい自然の遺産を守り、後世に引き継ぐために、一緒に学んでみませんか?

詳しくはこちら:乗鞍岳自然観察教室

※乗鞍岳には、立入禁止エリアがありますので、登山の際にはご注意ください。

 

【参考サイト・文献】

岐阜県生活環境部「岐阜県の野鳥」(1983)
環境省:https://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/raicho.html
岐阜県環境生活部環境企画課:https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/143420.pdf
サントリー 日本の鳥百科:https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/
乗鞍自然保護センター:http://www.go.tvm.ne.jp/~norikura-vc/about.html
乗鞍スカイライン公式HP:https://norikuradake.jp/

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