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国民保養温泉地のご紹介

今回は、中部山岳国立公園の岐阜県圏内にある「国民保養温泉地」についてご紹介します。

平湯の湯

国民保養温泉地とは?

国民保養温泉地とは、温泉の公共的利用増進のため、温泉利用の効果が十分期待され、かつ、健全な保養地として活用される温泉地を「温泉法」に基づき、環境大臣が指定するもので、昭和29年から指定が始まり、令和元年10月現在では、全国で80箇所が指定されています。
国民保養温泉地として指定を受けるためには、下記の条件を満たしている必要があり、特に温泉の泉質が療養泉で湯量が豊富であり、自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適しており、温泉療法医等と連携していることなどが求められます。

第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件

(1)利用源泉が療養泉であること。
(2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。
第2 温泉地の環境等に関する条件
(1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。
(2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。
(3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。
(4)災害防止に関する取組が充実していること。
第3 温泉地計画の策定
(1)温泉地における温泉利用施設の整備及び環境の改善を図るため、環境大臣が国民保養温泉地ごとに「第2 温泉地の環境等に関する条件」に関する温泉地計画を策定すること。
(2)国民保養温泉地の指定を希望する地方公共団体は、住民、事業者等の意見を聴いて、温泉地計画の案を作成し、環境大臣に提出すること。

奥飛騨温泉郷は『国民保養温泉地』です!

平湯 足湯

奥飛騨温泉郷は、四季を通じ自然景観が優れた温泉地。100を超す数多くの源泉は湯量も豊富で古くから湯治場として栄えている等、国民保養温泉地の指定を受ける条件に当てはまっていることから、昭和39年に平湯温泉が単独で指定され、その後、昭和43年に他の4つの温泉地(平湯、新平湯、新穂高、栃尾、福地)を含めて、奥飛騨温泉郷として指定をされました。岐阜県では、奥飛騨温泉郷の他に、白川郷平瀬温泉が昭和55年に、小坂温泉郷(湯屋、下島、濁河温泉)が昭和58年にこの指定を受けています。

中部山岳国立公園の中に位置する温泉としては、下記になります。
岐阜県:奥飛騨温泉郷(平湯、新穂高の一部)
長野県:白骨温泉、有明・穂高温泉(一部)

国民保養温泉地全94か所中、半数近くが国立・国定公園内に存在するという事で、国立公園と国民保養温泉地は、相性の良い間柄のようです。

奥飛騨温泉郷の源泉数は100以上!総湧出量は27,766(ℓ/min)!!

ひらゆの森の分湯漕

平湯温泉

戦国時代 武田信玄の軍勢が飛騨に攻め入った際に、老猿(白猿)が湯だまりで傷を癒すのを見て入浴し鋭気を養ったとの白猿伝説があります。江戸時代には、北陸の大名が参勤交代の道中で疲れを癒したとも言われ、古くから名湯として名高いです。
白濁や茶色の濁り湯、硫黄泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、無色透明の単純温泉など。
日帰り温泉施設でも気軽に温泉を楽しめる。

湧出量:総湧出量 7.575ℓ/min
源泉名:富貴の湯(73℃)、あぼうの湯(60℃)、湯の平の湯(71℃)、ひらゆの森(68℃)他

福地温泉のひだ路前の温泉櫓

福地温泉

平安時代、村上天皇がおしのびで湯治に訪れていたとの伝説があり、その名残として「天皇泉」の名称があります。
無色透明の単純温泉、炭酸水素塩・塩化物泉など。宿泊施設には客室に露天風呂を備え付けているところや川沿いに貸切露天風呂を設えているところもある。公共浴場でも気軽に温泉が楽しめる。

湧出量:総湧出量 1.846ℓ/min
源泉名:天裕温泉(60℃)、三井金属1号線(70℃)他

新平湯温泉 松乃井(露天風呂)
新平湯温泉 温泉(松乃井露天風呂)

 新平湯温泉

元禄3年(1690年)、円空上人が訪れ、湯治をしながら約一年間逗留したと伝えられているなど古くから湯治場として栄えています。
宿泊施設の数が多く、大規模な旅館から民宿まで全ての宿に温泉がある。無色透明の単純温泉、硫黄泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉など。

湧出量:総湧出量 5.393ℓ/min
源泉名:岩見泉(65℃)、本田1号泉(65℃)、奥飛騨宝温泉協同組合3号泉(92℃)

栃尾温泉_荒神の湯
栃尾温泉の公共浴場 荒神の湯

栃尾温泉

川沿いに共同露天風呂や足湯などがあり、開けた景観で自然を感じながら温泉を楽しむことができる。
無色透明の単純温泉、硫黄泉など。

湧出量:総湧出量 3.550ℓ/min
源泉名:穂高3号線(73℃)

中尾温泉_源泉貯泉曹
中尾温泉街の分湯漕

新穂高温泉

新穂高温泉エリアの中には、中尾温泉エリアも含まれている。源泉の温度も高く、湯量も豊富。無色透明の単純温泉、硫黄泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉など。
中尾温泉では、道沿いにたくさんの分湯漕が見られ、温泉の湯気が立ち上る温泉慕情を感じられる雰囲気が人気である。

湧出量:
〔新穂高地区〕総湧出量 7.384ℓ/min
〔中尾高原地区〕総湧出量 1.987ℓ/min
源泉名:中尾温泉1号泉(79℃)、蒲田3号泉(80℃)、奥飛観光開発2号(82℃)

温泉を気軽に楽しむには足湯がおすすめ!奥飛騨地域内に点在する足湯を紹介

平湯 足湯
【平湯温泉】温泉街の中心にある足湯
平湯 足湯
【平湯温泉】平湯民俗館の入り口にある足湯
平湯バスターミナルの足湯
【平湯温泉】平湯バスターミナルの足湯
福地温泉の足湯
【福地温泉】宿泊者限定の舎湯内の足湯
栃尾温泉の足湯
【栃尾温泉】蛍の湯
中尾高原「足洗いの湯」
【中尾温泉】足洗いの湯

国立公園内の国民保養温泉地は、誰でもがゆっくり楽しめる温泉地です。散策路や休憩所、足湯などが整備されているので、気軽に温泉にふれることができます。
日々の疲れのリフレッシュなどにご活用ください。

【参考サイト・文献】
環境省:https://www.env.go.jp/nature/onsen/area/
環境省受託者:国民保養温泉地協議会ホームページ((一社)日本温泉協会)https://www.spa.or.jp/kokumin_spa/about/
【画像提供】
奥飛騨温泉郷観光協会:https://www.okuhida.or.jp/
ひらゆの森:http://hirayunomori.co.jp/
株式会社結

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