飛騨の特別な山域を熟知した「森の案内人」 Posted on 2021年11月24日2021年11月24日 中部山岳国立公園乗鞍岳の北西山麓約3千haに広がる森林地帯「乗鞍山麓五色ヶ原の森」。五色ヶ原の森では自然保護と利用の両立を図るため、ガイド同行の入山が義務付けられています。今回は広大な自然が広がる五色ヶ原の森のガイドのご紹介です。 五色ヶ原の森は国内でも先駆けて、認定ガイドが同行しないと入山できないという制度を導入し入山者の制限を行っています。指定管理者である「五色ヶ原の森案内人の会」には森の案内人(認定ガイド)が約40人程在籍しています。今回は森の案内人の一人である、大澤万里子さんにお話しを伺いました。埼玉県出身という大澤さんは、北アルプス双六小屋でのアルバイトを経験し、この地の大自然に魅せられ岐阜県高山市に移住したそうです。その後知人の紹介で五色ヶ原の森のガイドとなりました。初めはただ自然が好きというだけだったのが、ガイドの仕事をしていくうちに人に伝えることで改めて学ぶ機会が増え、この仕事の奥深さを感じるようになったそうです。先輩ガイドから当地に伝わる、森の恵みに感謝しそして活かす、知恵と工夫に満ちた暮らし方に触れる事は、現代の大量消費的な生活を考え直す機会にもなっていると大澤さんは言います。 五色ヶ原の森ガイド 大澤さん 日常の中の非日常 八汐峠からの乗鞍岳 以前は人前での説明などが苦手だったという大澤さんですが、ガイドの仕事を通して「一期一会」を大切に、ツアーに参加した人々に森で発見する喜びを味わってほしいという気持ちから、だんだんと伝えることに喜びを感じるようになったそうです。 ツアー終了時に参加者から言われる「今日はありがとう、楽しかった、また来るね」という言葉がこの仕事をしていて何より嬉しいと大澤さん。慌ただしい日常の中で、まずは五色ヶ原の森へ来て感動してほしい、森と人との関わり方、そして今の暮らしとの違いやこの自然を残していく大切さを伝えたいと大澤さんは言います。 カナダやアラスカ等北方寒冷地との 共通種ゴゼンタチバナ 五色ヶ原の森のアイドル・タマゴタケ 五色ヶ原の森は手つかずの豊かな自然の他、森に住む鳥や動物、植物などその魅力は計り知れません。大澤さんはそんな五色ヶ原の森の、ピーク(登頂)を目指さない山歩きをとても気に入っているそうです。先輩ガイドから言われた「ガイドの仕事をしていると、人との出会いの財産が貯まるよ」という言葉が忘れられないとか。大好きな土地に住み、大好きな花や自然に触れることができ、四季折々何度森を歩いても発見があるガイドという仕事が、自分には天職なのかもしれないと大澤さんは語ってくださいました。 お問い合わせ 乗鞍山麓 五色ヶ原の森案内センター〒506-2252岐阜県高山市丹生川町久手471-3TEL:0577-79-2280FAX:0577-79-2888URL:https://goshikinomori.com/※2022年の営業は5月20日~10月末まで 【画像提供】 大澤 万里子氏 布引滝