ジオトレックガイド鍋平高原・鍋平園地 - 飛騨山脈ジオパーク構想飛騨山脈ジオパーク構想

鍋平は蒲田川最上流部にある河岸段丘です。槍穂高の山麓を源流とする右俣谷から、大量の土石流が流れ出し一帯を埋め尽くしたなごりです。
源流部から流れ出した土砂は、巨大なれきを大量に含んでいたため、平坦地を形成することはできませんでした。鍋平と言っても、こう配を持った連続斜面になっています。その後、右俣谷、左俣谷の流れが堆積土砂を押し流し現在の蒲田川の流路が形成されました。
　鍋平は飛騨山脈の主稜線のふもとにあり、西側の笠ヶ岳カルデラ火山のつくる稜線を真横から見ることができます。豊かな森におおわれて、真夏でも涼風の吹き抜ける高原です。足音を忍ばせて歩けば、野生動物にも出会えるかもしれません。

北アルプス大橋の風景画像新穂高温泉中尾高原から鍋平へ向かいます。数分で中尾と鍋平を結ぶ北アルプス大橋に到着です。ここはポスターにも選ばれる写真撮影の絶景ポイントです。橋と錫杖岳、笠ヶ岳や四季折々の自然景観が美しいところです。
橋を渡ってすぐ左側に駐車場があります。ここからは笠ヶ岳の穴毛谷を正面に見ます。約6500万年前の笠ヶ岳カルデラ火山の、カルデラ内堆積物の層がはっきりと見えます。

鍋平園地の風景画像鍋平の中央付近には鍋平公園管理事務所があります。駐車場の脇から、鍋平園地ウォーキングロードの始まりです。ウォーキングロードは延長２㎞あまり、広葉樹林の下を、山野草を見ながらゆったりと歩けます。

鍋平高原自然散策道の風景画像中鍋平の奥には新穂高ロープウェイに併設された展示施設「ビジターセンター山楽館」があります。飛騨山脈のジオラマ、動物のはく製展示、周辺の岩石をまとめたロックガーデンなどが見られます。
山楽館ではガイドによる自然散策も行われており、極相林と呼ばれる落葉広葉樹の自然林を散策します。
もちろん自由に散策することも可能です。
自然散策道にはいくつかのビューポイントがあり、槍ヶ岳の遠望や蒲田川対岸の笠ヶ岳山塊の威容を目にすることができます。

新穂高ロープウェイの風景画像海抜1308mのしらかば平駅から、海抜２156mの西穂高口駅まで7分の乗車時間です。
ロープウェイを降りると、そこは海抜2156mの世界です。駅舎展望台からは笠ヶ岳のカルデラ内堆積物の様子が見て取れます。
駅舎周辺の千石園地には遊歩道が設けられ、飛騨山脈の主稜線を背景に、亜高山帯の樹林を散策できます。