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ジオトレックガイド シラビソショートコース

このエリアについて

乗鞍山麓五色ヶ原の森は中部山岳国立公園乗鞍岳の北西山麓約3000haに広がる森林地帯です。自然保護と利用の両立を図るため、歩道や山小屋等の施設整備は自然に配慮したつくりになっています。
さらに、要予約制で、入山規制や入山時におけるガイドの同伴、一日当たりの最大利用人数の制限、利用料金制などを高山市の条例で義務付けています。ここは、国内でも先駆けといえる本格的なネイチャートレイルエリアです。
 
この五色ヶ原の森と深く関係しているのが乗鞍岳(日本百名山)です。乗鞍岳(乗鞍火山)は、古期火山と新期火山2つの活動の歴史があり、このシラビソコースでは新期火山の活動のようすが見られます。五色ヶ原の森は、32万年前から活動した乗鞍岳烏帽子火山体の崩壊跡に、2万年前に恵比須火山、9千年前に権現池火山の溶岩が流れ込み形成されました。溶岩流の表面は、ブロック状の溶岩が転がり「ゴスワラ」と呼ばれるデコボコした歩行困難な地形を作り出しています。
最奥部には国内ではほとんど見られなくなった手つかずの原生林の森が残されています。

ジオトレックガイド シラビソショートコースマップ画像

おススメのスポット シラベ沢

シラベ沢風景画像乗鞍火山は、主に溶岩流が見られ、溶岩以外の火山噴出物は少ない火山です。シラビソコースは、権現池火口から流れ出た平金溶岩と岩井谷溶岩が見られます。
この安山岩とは、地表または地表近くでマグマ(溶岩)が急速に冷却された火山岩で、石の中に白や黒の粒が見えます。この粒は、マグマだまりの中で先に固まり既にできていた鉱物結晶です。

おススメのスポット シラベ沢~シラビソ小屋への道

シラベ沢~シラビソ小屋への道風景画像赤っぽい部分とグレーの部分が見えます。
上の赤みがかった部分は、安山岩が高温酸化された部分です。酸化鉄(赤さび)で赤くなりました。下のグレーの部分は自破砕溶岩で、固まりかけた溶岩が後続する溶岩の流れる力によって壊されたものです。

おススメのスポット 濃飛流紋岩(のうひりゅうもんがん)

濃飛流紋岩風景画像濃飛流紋岩は、日本列島がまだ大陸のヘリだった時代(約8000万年~6000万年前)に火山噴出物が積み重なってできた岩体で、岐阜県の約4分の1の面積を占めており、美濃から飛騨にかけて分布します。白川の上流に露出しています。この岩のある川は水が美味しいといわれています。お酒に入れると2級酒が1級酒になるともいわれる面白い岩石です。

おススメのスポット 溶岩堤防(ようがんていぼう)

溶岩堤防風景画像溶岩は流れるときに流れの側面や前面が壁のように高くなります。溶岩の供給が止まっても、溶岩の流れは急な斜面では止まりません。そのため流れやすい中心部は流れ去ってしまいます。一方、側面の壁は溶岩の流れの中心より早く冷えてその場に残り溶岩堤防となります。澄池、濁池、雄池は溶岩堤防によってせき止められた池です。

おススメのスポット チャート

チャート風景画像ここで見えるチャートは、乗鞍岳の基盤をつくる美濃帯の岩石です。2億年以上前、海洋微生物のケイ酸(水晶と同じ成分)の殻が海底に堆積し、長い時間をかけてプレートが動き運ばれてきたものです。

おススメのスポット 雄池(おいけ)

雄池風景画像溶岩堤防が谷に流れ込む沢の出口をせき止め、この雄池を作りました。溶岩堤防は、隙間のある岩塊の集まりなので、雨が降っても水は流出し水量が変わります。

おススメのスポット 布引滝(ぬのびきたき)

布引滝風景画像シラビソコースのクライマックスは雄大な布引滝。
この滝のすぐ上は川が無く、水が湧き出ています。巨大な山体に染み込んだ雨が溶岩の隙間を通り、湧き水が滝となっています。

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