千光寺は、高野山真言宗の名刹で1200年の歴史があります。「立木仁王像」「両面宿儺坐像」「三十三観音像」などを始めとして、現在64体の円空仏を所蔵しており、すべて「円空仏寺宝館」で拝観することができます。その他の境内各所に安置されている木彫りの仏像は、現代になって彫られた「円空彫り」です。
また、千光寺のある袈裟山はスギ、アカマツ、モミ、ケヤキ等の豊かな森が広がっており、巡拝路や野鳥観察路となっています。
【円空】
江戸時代前期の修験僧で、乗鞍岳開山の祖といわれています。各地に「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残しました。
【円空の千体仏の伝説】
乗鞍の大丹生池に妖怪がいて、一人で池畔に行くと必ず命を捕られた。集落の人は久しくこれを憂いてねんごろに円空に救いを請うた。円空は1000体の仏像を彫って池に沈めた。それ以後、災いが無くなったという。
出典:高山市史-飛騨の山岳と自然の恵み編- 令和3年3月 高山市教育委員会