〇槍・穂高連峰
飛騨山脈(北アルプス)の主稜線の中核、槍・穂高連峰は、西穂高岳から槍ヶ岳まで続く急峻な尾根の連続となっていて、鋸歯状山
稜ともよばれる景観は、国土地理院の日本の典型地形にも掲載されています。太平洋プレートの圧力や、マグマの上昇などが相まって、驚異的な速さで上昇した山脈ならではの山岳景観です。穂高連峰は約176万年前、南北に伸びたカルデラ火山でした。火山活動のもととなったマグマが噴出したものはカルデラ内に堆積し穂高安山岩に、地下深いところでゆっくり固まったものは滝谷花崗閃緑岩になっています。
〇槍ヶ岳
日本で5番目の高さ3,180mの山で、山頂を中心に4つの氷河がその山体を削り、三角形の特徴的なピークを作り上げています。また、山頂は東に20度ほど傾いています。
〇西穂丸山
西穂丸山は、新穂高ロープウェイの西穂高口駅から西穂山荘を経由したその先にある比較的やさしいコースです。穂高連峰や上高地の大正池が望めます。
〇滝谷
穂高連峰の北端、北穂高岳3,016mから切れ込む岩の墓場ともよばれる谷です。谷の奥には北穂ドームをはじめとする岩壁が屏風のようにそびえ立ちます。槍穂高カルデラ火山のマグマからできあがった滝谷花崗閃緑岩の名前は、この谷に由来しています。

槍ヶ岳
槍ヶ岳
西穂高岳とジャンダルム
西穂高岳とジャンダルム
笠ヶ岳
笠ヶ岳

〇笠ヶ岳
笠ヶ岳は、標高2,898mのカルデラ火山です。一般にカルデラ火山といえば陥没地形をイメージしますが、笠ヶ岳はカルデラの周辺が侵食されて、カルデラの内部が露出しています。山を東側から見ると複数回の噴火を物語る明瞭な横縞模様が確認できます。春、上宝地域から笠ヶ岳を見ると、残雪によって山肌に白馬の様な姿が見られ、田植えの合図として親しまれています。江戸時代に播隆上人が集団登拝した歴史があります。
〇双六岳
標高2,860mで、広くなだらかな稜線が特徴です。この山のまわりには1万年前に終わった氷河期の、氷河の侵食により削り取られたやせ尾根が見られます。氷河におおわれながらもその侵食からまぬがれた、特徴的な稜線と言えます。
〇錫杖岳
笠ヶ岳カルデラ火山の外側カルデラにある、垂直の壁に取り囲まれた2,168mの岩峰です。4期に分けられる笠ヶ岳カルデラ火山の活動のうち、第2 期に形成された層厚1,600mの溶岩を主体とする笠谷層に含まれ、溶岩の節理が垂直の岩壁を構成しています。


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