野麦峠は、長野県松本市と岐阜県高山市の県境に位置し、昔は信濃国と飛騨国を結ぶ鎌倉街道・江戸街道と呼ばれる街道の峠でした。
この峠は乗鞍岳と鎌ヶ峰の間にあり、古来、能登でとれたブリを飛騨経由で信州へと運ぶ街道でもありました。海がない信州では「飛騨ブリ」として珍重され大変高価なものでした。
また、明治の初めから大正にかけて、飛騨の女性たちが女工として働くためにこの峠を越えました。この史実を描いた小説「あゝ野麦峠」が有名です。
峠の展望台からは北に乗鞍岳、南に御嶽山を望む絶景が見られます。
現在は5月下旬に開催される野麦峠まつりの際に、旧野麦街道糸引き工女列が再現されています。