中部山岳国立公園に位置する乗鞍岳周辺は雄大な山岳景観、高山植物などの貴重な自然や豊富な温泉といった豊かな自然環境に恵まれ、乗鞍スカイラインなどにより、誰でも手軽にその豊かな自然観光資源を満喫することができます。また、約5億年前から現在に至る様々な地層が見られる地質の宝庫であり、地球の生い立ちを学ぶことのできる全国でも数少ない地域です。さらに、乗鞍岳開山の歴史、乗鞍岳における登山道路建設や宇宙観測の歴史など、周辺地域も含め歴史文化の面でも多様な魅力を有しています。

エコツアーを推進実施する地域
乗鞍岳一帯コアエリア(以下「コアエリア」という。)については、主に乗鞍岳の山麓一体及び乗鞍火山の影響を受けている範囲(乗鞍山麓五色ヶ原の森、平湯地内、千町尾根など)です。
また、コアエリア外の周辺地域(奥飛騨温泉郷・上宝エリア、丹生川エリア、朝日・高根エリア)も乗鞍岳と深いつながりを持っています。
乗鞍岳一帯コアエリアのみどころ
■大自然の魅力を存分に味わえるエリア
畳平と鶴ヶ池
乗鞍岳は剣ヶ峰(3,026m)を最高峰に、23の峰と7つの湖、8つの平原からなる中部地方を代表する名山です。3,000m級の登山に比較的容易に挑戦できる山で、標高2,702mの畳平までシャトルバスで行くことができ、畳平から剣ヶ峰までのコースは剣ヶ峰山頂までおよそ2時間で登ることができます。だれもが容易に雄大な山岳景観、群れなす高山植物の可憐な姿、清澄な空気、高山の雰囲気を味わえるのが魅力で、運が良ければライチョウに出会うこともできます。
乗鞍山麓五色ヶ原の森は、乗鞍岳の北西山麓に広がる広大な森林地帯で、ガイドツアーが人気です。
冬期には、ほおのき平スキー場、平湯温泉スキー場でスキーが楽しめます。
畳平へのシャトルバスは、丹生川側は「ほおのき平バスターミナル」、奥飛騨温泉郷側は「平湯バスターミナル」から運行されています。

奥飛騨温泉郷・上宝エリアのみどころ
■槍・穂高の山々と火山地形、温泉が魅力のエリア
槍ヶ岳・穂高連峰
乗鞍岳の北側にあたるこのエリアは、槍ヶ岳や穂高連峰に代表される急峻な山々と、火山活動の恩恵を受けた温泉が魅力です。
太古の造山活動によってできた急峻な山々、圧倒的なスケールで立ちはだかる槍・穂高の岩壁は登山愛好家を惹きつけています。この周辺では約176~175万年前に起きた槍穂高カルデラ火山の大噴火によって形成された特徴的な地形・地質が随所にみられます。また、砂防施設建設の歴史、福地化石産地、平湯大滝など地形地質のみどころが多いエリアです。
平湯温泉、福地温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、新穂高温泉の特徴が異なる5つの温泉地からなる奥飛騨温泉郷は、全国の温泉地の中でも湯温の高さ、湧出量はともに上位で、日本一と言われる露天風呂数を誇ることでも有名です。
平湯バスターミナルからは乗鞍岳へのシャトルバスが発着しており、乗鞍岳観光の拠点として利用されています。
左上:平湯温泉 平湯の湯、右上:新穂高ロープウェイ、左下:焼岳、右下:北アルプス大橋
対応可能ガイド
丹生川エリアのみどころ
■乗鞍岳の山麓の人々の歴史文化を感じられるエリア
田園と乗鞍岳
田上家住宅
乗鞍岳の西側に位置し、広大な乗鞍岳の裾野に抱かれたエリアで、乗鞍岳の麓に暮らす人々の歴史文化が感じられるエリアです。
千光寺では、乗鞍岳開山の祖、円空の64体の円空仏を見ることができます。荒川家住宅は重要文化財の旧家で、江戸時代からの当時の暮らしを垣間見ることができます。田上家住宅(匠の館)は飛騨の名匠・川尻治助によって明治時代に建てられたもので、立派で豪快な梁組の造りが特徴です。
また、銚子の滝などの乗鞍火山が生み出した地形地質も魅力です。
高山市街地からのアクセスも良く、気軽に訪れることができ、乗鞍岳へのシャトルバスが、ほおのき平から利用できます。
左上:乗鞍山麓五色ヶ原の森、右上:ほおのき平スキー場、左下:乗鞍スカイライン、右下:乗鞍岳 畳平
対応可能ガイド
朝日・高根エリアのみどころ
■広大な自然が感じられるエリア
春の乗鞍岳
神明神社の枝垂れ桜
乗鞍岳の南側に位置するこのエリアは、乗鞍山麓に広がる高原などの雄大な自然を生かしたキャンプ場が多いエリアで、子ノ原(ねのはら)高原ではレンゲツツジ群落が魅力です。
岐阜県と長野県の県境にある野麦峠は、小説「あゝ野麦峠」で有名な場所です。この峠は古くは信濃国と飛騨国を結ぶ鎌倉街道・江戸街道と呼ばれる街道の峠でした。明治の初めから大正にかけては、当時の主力輸出産業であった製糸工業で発展した長野県諏訪地方の岡谷へ、飛騨の女性たちが女工として働くためにこの峠を越えていた歴史があります。
左上:高根町 日和田高原、右上:朝日町 あさひの森、左下:朝日町 胡桃島キャンプ場、右下:清見町 おおくら滝
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